2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)に覚醒剤を摂取させ殺害したとして、殺人罪に問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が8日、和歌山地裁で開かれ、被告人質問が始まった。

被告は野崎さん宅を初めて訪れた際の状況について「来てくれてありがとうと言われ、帯付きの100万円を渡された」と語った。

弁護側の質問に被告は、野崎さんの印象について「足腰が弱く、よちよち歩きだった」と振り返った。その後の野崎さんとの関係性について「お金をくれるしラッキーで、うまく付き合おうと思った」と供述。何度も求婚されたことを受け「毎月100万円ちょうだいと言った気がする」と話した。

起訴状などによると被告は18年5月24日、何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したとしている。死因は急性覚醒剤中毒で口から飲んだとみられる。

裁判で被告は「殺していないし、覚醒剤を摂取させたこともない」と無罪を主張。弁護側は被告以外が飲ませたり、野崎さんが自分で飲んだりした可能性があると主張している。〔共同〕

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