四国4県で9日夜に大規模な停電が発生した問題で、四国電力傘下の四国電力送配電は12日に記者会見した。送電線を共同運用する関西電力送配電と「制御装置の操作を巡って齟齬(そご)があった」として、連携ミスで供給力の急激な減少が起きたことが停電の原因と明らかにした。
停電は9日午後8時20分ごろ発生し、最大36万5300戸に上った。約1時間半後にほぼ全戸で復旧した。両社は詳細な原因などをまとめ経済産業省に報告する。
四電送配電の高畑浩二副社長は「発生要因や対策について詳細に検討を進めたうえで再発防止に努める。誠に申し訳ない」と謝罪した。
四電送配電によると、四国と本州を結ぶ送電線は中国地方とつなぐ「本四連系線」と関西地方とつなぐ「阿南紀北直流幹線」の2ルートがある。同日午後2時すぎ、本四連系線のケーブルが損傷し中国に電力が送れなくなったため、四電送配電は余った電力を関西に送ってしのいだ。
問題が起きたのは同日夜。四電送配電は中国ルートを復旧させるため、関電送配電に関西ルートに流している電力の調整を依頼した。その際、周波数をそろえる装置(EFC)と、電気の流れを制御する装置(EPPS)の2つを同時に停止する必要があったが、四電送配電は「EFCの停止」と依頼したため、関電送配電はEFCのみを停止した。
EPPSが作動し続けたことで大量の電力が関西に流れて四国は逆に電力不足に陥り、送電を自動で停止する装置「周波数低下リレー」が作動して大規模停電に陥ったという。
四電送配電は「2つの装置は常に同時に操作するので、関西送配電は両方停止すると思ったが、関電送配電はEFCのみの停止依頼と受け止めた。認識が異なっていた」と説明している。
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