「市長と語ろう!敬老パス」であいさつする札幌市の秋元克広市長(左から2人目)ら=札幌市中央区で2024年11月30日、高山純二撮影

 札幌市は30日、「敬老パス」(敬老優待乗車証)の見直しを巡り、秋元克広市長が市民と意見交換する「市長と語ろう!敬老パス」を開いた。28~88歳の約170人が参加。応募段階で60代以上が8割以上を占めており、参加した高齢者からは現行制度の存続を求める声が相次いだ。

 市は敬老パスの現行制度を当面存続する一方、2026年度から対象年齢や自己負担割合を引き上げる方針を示している。

 現役世代の負担軽減などを根拠に制度の見直しに理解を求める秋元市長に対し、抽選で選ばれた質問者からは「オリンピックをやろうとしていた財源があるんだから、敬老パスを続けてほしい」「交通費の負担が増え、ボランティアを続けられなくなる」などと批判が殺到。現役世代で唯一発言した20代男性は「高齢者にばらまかず、将来の札幌市に役立つものに使ってほしい」と賛成意見を述べた。

 予定の1時間を約20分オーバーして終了。出席した豊平区の加納春平さん(77)は「時間が短いことは明らか。『意見を聞きました』というアリバイづくりだ。働く世代のことを考えなければならないと言うなら、その人たちを含めて議論していくべきだ。将来的に敬老パスは廃止する腹づもりなんだろう」と話した。【高山純二】

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