去年、岸田前首相を襲撃した事件で起訴された被告に、和歌山地検の検事が人格を攻撃するような発言をしたとして、弁護士が最高検に抗議を行いました。

国家賠償請求訴訟も検討するということです。

無職の木村隆二被告(25)は、去年4月、和歌山市で行われていた岸田前首相の演説会場で爆発物を投げ込み、演説を妨害した現行犯で逮捕され、殺人未遂など5つの罪で起訴されました。

■「ひきこもっていて出てきたら世の中に迷惑かけるんだね」「愚かな木村さん」

去年5月、木村被告から弁護士に面会依頼があり、和歌山地検の検事から不適切な取り調べを受けたと訴えがあったということです。

弁護士によると、木村被告に対して、担当検事は「ひきこもっていて出てきたら世の中に迷惑かけるんだね」「愚かな木村さん」などと人格を攻撃するような取り調べをしたということです。

■「私が法律のプロで大リーグだとすれば木村さんは小学校の低学年のレベル」

また、木村被告が現行の選挙制度は不当だとして国を訴えていたことについて、「一生懸命に法律の勉強をしたのはすごいと思う。私が法律のプロで大リーグだとすれば木村さんは小学校の低学年のレベル」という趣旨の発言もあったということです。

■「不適法と受け取られないように注意するよう担当検事に指導した」と主任検察官

弁護士は主任検察官に口頭で抗議を行い、主任検察官からは電話で「人格攻撃の申し入れについて不適法な取り調べはなかったと考えるが、不適法と受け取られないように注意するよう担当検事に指導した」という返答があったということです。

弁護士は不適切な取り調べだとして、担当検事の変更などを求める抗議文を最高検に送りました。

■「2本爆弾持っていたけど、2本目は使うつもりはあったのか。あったら目を開けてください」

また、このような発言の前には、目をつぶって黙秘を続ける木村被告に対し、次のような取り調べも行われたということです。

「2本爆弾持っていたけど、2本目は使うつもりはあったのか。あったら目を開けてください」しばらくすると、「なかったら目を開けてください」

■国賠訴訟も検討

弁護士はこのような取り調べに対し、「基本的に黙秘する人に説得したり、質問を続けたりするのは黙秘権の侵害。黙秘であれば取り調べを終わらないと、黙秘権を侵害していることになる」と指摘しました。

今後、木村被告の意思を確認したうえで、国賠訴訟も検討するということです。

和歌山地検は「個別の事案についてはコメントを差し控える」としています。

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