皇后・雅子さまは、61歳の誕生日を迎えられました。
宮内庁を通じて寄せた文書では、能登半島地震の被災地を2度にわたり見舞われ、また地球環境問題、世界各地の戦争、イギリスへの公式訪問、長女の愛子さまの就職など、様々な事柄について思いを綴られました。
能登被災地に「心が締め付けられる思い」
誕生日用の映像では、先月101歳で亡くなられた三笠宮妃百合子さまゆかりの品を手に取り、偲ぶ思いを示されました。
この1年、皇后さまは地方での定例公務で大分県など4つの県を訪問し、多くの人たちから歓迎を受け、触れあったほか、能登半島地震の被災地を2度にわたり見舞われました。
誕生日に寄せた文書の冒頭、皇后さまは被災地の苦労を案じ「心が締め付けられる思いが致しました」と記されました。
国賓として英国訪問 オックスフォード大再訪「感慨深い」
国際親善でも様々な活動に取り組まれた1年でした。
今年6月にイギリスを国賓として公式訪問したことについては、チャールズ国王夫妻の温かいおもてなしに感謝の思いを示されました。
留学生活を送ったオックスフォード大学を34年ぶりに訪れ、名誉博士号を贈られ、陛下と共に懐かしいカレッジを巡ったことを「特別な機会になり感慨深いものでした」と振り返られました。
また、各国の元首を宮殿に招いて面会や昼食会などを催し、「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞した芸術家とフランス語やドイツ語などを交えて親しく交流されました。
園遊会や赤十字大会 皇后としての務め
春と秋の園遊会では、各界で功績のあった人たちと飼い猫の話題、パリオリンピックのメダリストとはスケートボードの経験談など、共通の話題を見つけ、和やかに歓談されました。
日本赤十字社の名誉総裁として全国赤十字大会に出席し、皇居での養蚕では伊勢神宮の20年に一度の「式年遷宮」の準備のために例年より生産を増やすなど、皇后としての務めも果たされました。
平和への願い「対話を重ねていくことの大切さ」
誕生日の文書では、戦争や紛争で子どもを含む多くの命が失われていることを「深い悲しみを覚えます」と案じ、「異なる価値観を尊重し合える寛容な社会と平和な世界を築いていくために、人々が対話を重ねていくことの大切さを感じます」と思いを示されました。
また、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞することにも触れ、来年は戦後80年を迎えることも念頭に「世界の人々がお互いの理解に努め、力を合わせていくことの大切さを改めて感じています」と平和への願いを綴られました。
就職した愛子さま 社会人と皇族の務めの両立を見守られる
大学を卒業し、日本赤十字社に就職した長女の愛子さまについては、「やり甲斐を感じながら励んでいる様子をうれしく思っています」と喜び、「社会人として様々な経験を積みながら、皇族としての務めを果たすべく、努めていってほしい」と母として見守る思いを記されました。
「治療を続けることが大切」医師団見解
適応障害の治療は21年に及びますが、体調を整えながら活動を続けられています。
医師団は「快復の途上にあり依然として体調には波がある」「周囲の理解と支援を受けながら治療を続けることが大切」と説明しています。
きょうは秋篠宮ご夫妻や愛子さまなど皇族方や、石破総理夫妻などが出席し祝賀行事が行われ、午後には上皇ご夫妻に誕生日の挨拶に向かわれる予定です。
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