写真はイメージです=ゲッティ

 神奈川県立精神医療センター(横浜市港南区)は9日、60代の看護師が自傷行為を繰り返す20代の入院患者に対し、心理的虐待の疑いがある暴言を吐いていたと発表した。「そんなに(自傷)したければ山奥ですればいい」などの内容で、センターから通報を受けた横浜市が精神保健福祉法に基づき調査する。

 センターによると、看護師は3日、病室に呼び出された際に精神障害を抱えて自傷行為を繰り返す入院患者を「なぜ自分の身体を傷つけるのか」と諭した。その上で「山奥ですればいい。特攻隊に行ってきな。ウクライナに行ってきな。戦争や災害で命を落としてしまう人はたくさんいる」と発言したという。

 入院患者がその日に看護師の上司に相談したことで発覚。看護師は暴言を吐いたことを認め、現在は勤務から外れている。「多忙で自分の気持ちに余裕がなかった。自傷を繰り返すことにストレスを感じていた」と弁解しているという。

 県庁で記者会見したセンターの田口寿子所長は「こうした発言をする職員がいたことは残念で申し訳ない」と謝罪。全職員に対して患者への虐待を見聞きしたかについてアンケートを実施する。【蓬田正志】

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