中部電力ミライズは専用の太陽光発電所から富士電機の松本工場(長野県松本市)などに電力を供給する

中部電力の販売子会社である中部電力ミライズは12日、富士電機とPPA(電力購入契約)を締結したと発表した。愛知県と三重県内にある専用の太陽光発電所から、長野県にある富士電機とその子会社の計3工場に電力を供給する。電力の合計出力は約1万700キロワットとなる見通しで、企業向けのPPAでは中部電力ミライズとして過去最大となる。

太陽光発電所は中部電力グループのジェネックス(愛知県碧南市)が設置する。太陽光発電所を計15カ所建設し、2025年4月から順次稼働を始める。発電した電力はパワー半導体を製造する富士電機の松本工場(長野県松本市)と、その子会社である富士電機パワーセミコンダクタの大町工場(長野県大町市)、飯山工場(長野県飯山市)に供給される。

富士電機が工場から離れた太陽光発電所を活用する「オフサイトPPA」を導入するのは初めてのこととなる。契約期間は20年。富士電機グループの3工場は、PPAの締結によってこれらの工場における二酸化炭素(CO2)排出量を年間5726トン削減できる見通しだ。

富士電機は30年度に生産時の温暖化ガスの排出量を19年度に比べ46%超削減する目標を掲げている。富士電機全社の電力使用量に占める再エネ電力の比率も、同年度で55%と23年実績(6%)から大幅に高まる見通しだ。

生産拠点での太陽光発電設備導入などに加え、中部電力ミライズとのオフサイトPPAの締結を通して脱炭素を加速する。

中部電力ミライズは、富士電機のような脱炭素に向けた企業のニーズに応える取り組みを今後も進める方針だ。中部電力は30年ごろまでに再生可能エネルギーを17年から320万キロワット以上増やす計画を掲げている。中部圏を中心としたPPAの締結拡大を通し、再エネ拡大に弾みをつける狙いがある。

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