台湾積体電路製造(TSMC)子会社で、熊本工場を運営するJASM(熊本県菊陽町)は9日、熊本市内で地下水保全に向けた調査研究で熊本大学や熊本県立大学と連携すると発表した。TSMCが大学とこうした研究をするのは初めてという。
一般的に半導体工場は大量の水を使うため、水資源への影響を懸念する声も少なくない。TSMCは「グリーン・ジョイント・デベロップメント・プロジェクト(グリーンJDP)」として、地下水の持続可能性について共同研究する。工場周辺の環境保全に向けて大学と共同で研究をするのは、TSMCとして初めての取り組みとなる。
具体的には、地下水の水位観測や水質分析、地下水の流動システム解析などを計画している。産官学連携で収集・蓄積したデータや研究結果を共有し、TSMCの経済活動と地域の環境保全の両立を図るとしている。
この日は同プロジェクトの発足式も開かれ、JASMの堀田祐一社長やTSMCの環境技術担当者、熊大の小川久雄学長や県立大の黒田忠広理事長、熊本県の木村敬知事らが出席した。
JASMの堀田社長は、式典で水資源の管理を実践して地下水の涵養(かんよう)にも取り組んでいることを説明。そのうえで「地域と一緒に守っていく。水質や地下水位の変化などの研究を推進していきたい」と強調した。
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