創薬支援の人工知能(AI)を開発するSyntheticGestalt(シンセティックゲシュタルト、東京・新宿)は、分子情報に特化した大規模事前学習基盤モデルを開発すると発表した。約400億件の化合物データを取得し、そのうち約100億件を学習データとして分子の立体構造をシミュレーションする。2025年4月の完成を予定している。
膨大な分子データの学習に必要な画像処理半導体(GPU)と計算基盤は米グーグルから提供される。経済産業省が国内の生成AI開発を支援する枠組み「GENIAC(ジーニアック)」の支援先となることもこのほど決定した。開発過程で得られる1億件のデータで学習できたモデルはグーグルクラウド上などで無償公開する方針だ。
シンセティックゲシュタルトは18年創業の、低分子創薬に注力する研究開発型スタートアップだ。島田幸輝最高経営責任者(CEO)は「AIが新しい分子の発明をするようになったら希少疾患に対する薬がより多く作られ、これまでより安く研究できる」と意義を語る。完成した基盤モデルは製薬企業や大学、研究開発機関の利用を見込む。
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