宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日に開かれた文部科学省の専門家会議で、フランスやドイツと手掛ける再使用ロケットの飛行実験を2026年度に実施する方針を示した。打ち上げ費用の低減につながる技術で25年度の実験を目指していたが、開発が遅れている。
専門家会議「宇宙開発利用部会」で、フランス国立宇宙研究センター(CNES)とドイツ航空宇宙センター(DLR)と実施する再使用技術の試験「CALLISTO(カリスト)」の状況を報告した。現在は設計作業や機体の開発試験をしている。
JAXAはカリストの前段階として日本単独で、小型ロケットを高度100メートル程度まで上昇させ、垂直着陸の実験をする。実施予定の能代ロケット実験場(秋田県能代市)で安全面の追加検討などが必要となっており、24年度から25年度に遅らせる。
世界ではスペースXが主力ロケット「ファルコン9」で機体の一部の再使用に成功し、現在は打ち上げシェアの半数を占める。再使用して、製造費用を抑え、打ち上げ頻度も高まる。
日本のロケットは現状、使い捨てだが、大型基幹ロケット「H3」を段階的に改良する中で再使用技術の実証を検討している。カリストは技術を獲得するのに重要な研究となる。
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