実験で荷物に紛れ込ませた禁制品を探すアフリカオニネズミ(APOPO提供・共同)

 アフリカで長年課題となっている象牙やサイの角の密輸を阻止しようと、東部タンザニアを中心に活動するNPOがネズミを訓練して禁制品を探知させる実験に成功した。30日、成果をまとめた論文を欧州科学誌に発表した。「小さな体で荷物の隙間に入り込み、においを嗅ぎ取ることができる」と高い能力に期待を寄せている。

 動物を用いた地雷除去などに取り組むNPO「APOPO」が訓練したのは、サハラ砂漠以南に生息するアフリカオニネズミ。体長約30センチ、体重1キロ強で敏感な嗅覚を持つ。これまでに爆発物捜索の訓練を施した個体がカンボジアで100個以上の地雷や不発弾を見つけるなど、実績は折り紙付きだ。

 実験ではネズミ10匹に象牙やサイの角のにおいを覚えさせた。うち少なくとも7匹が、密輸業者が偽装に用いることが多いコーヒー豆や洗剤といった物品と禁制品の識別に成功したという。

 APOPOは税関などのエックス線機器を用いた検査には費用や時間がかかっていると指摘。「低コストで既存の手法を補完することができる」とした。(共同)

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