三菱電機が開発したSiC半導体チップはEVの航続距離の延長が期待できる

三菱電機は12日、電気自動車(EV)の駆動装置に使う半導体チップのサンプル提供を14日に始めると発表した。電力効率が通常のシリコンに比べ高い炭化ケイ素(SiC)基板を採用した。電気抵抗を抑える構造を採用して既存のSiC品と比べ電力損失を半分に抑えた。EVの航続距離の延長につながる。

パワー半導体は電圧制御に使われる。同社はこれまでパワー半導体を組み込んだモジュール(複合部品)の形で製品を提供してきた。今回の「xEV用SiC-MOSFETチップ」はチップ単位で提供するため、顧客は自社製品に組み込みやすくなる。

SiCパワー半導体はEV向けを中心にシリコンからの置き換えが進んでいる。データセンターに加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電所での利用も見込まれる。同社は熊本県内で1000億円を投じて新工場棟を建設し、SiCパワー半導体の製造能力を26年度に22年度比5倍にする計画を掲げる。

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