ラピダスの小池淳義社長は2ナノ半導体の量産技術について「EUV露光装置の導入でより確実なものにしていく」と述べた(18日、北海道千歳市)

最先端半導体の量産を目指すラピダスは18日、日本初となる量産対応の極端紫外線(EUV)露光装置を、北海道千歳市で建設中の工場に搬入し始めたと発表した。EUV露光装置は1台約300億円。ラピダスは今後、複数台設置する方針だ。

新千歳空港で開いた記者会見で、小池淳義社長は「能力を明かすことになるので台数は答えられないが、1〜2台では目標数量には達しない」と語った。14日には装置の一部が新千歳空港に到着。残りは複数回に分けて運び、年内に搬入を終える見通しだ。

ラピダス工場に搬入されるEUV露光装置の一部が到着した(14日、新千歳空港)

2ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体の量産技術の完成度について小池氏は「目的通り進んでいる。EUV導入でより確実にする」と述べた。

ラピダスは米IBMの拠点に技術者を派遣し研究開発を進めてきた。派遣を終え、北海道で勤務する社員もいるという。2025年4月の試作ライン稼働時は、300〜400人規模の社員が工場で勤務する。

ただ2ナノ半導体の量産は台湾積体電路製造(TSMC)が先行しそうだ。小池氏は「量産はTSMCのほうが早いと思う」と認める一方で、「製造プロセスのスピードにメリットがあり、歩留まりや性能をいち早くキャッチアップできる」と強調した。

ラピダスの清水敦男専務執行役員は「工場を動かす上でのソフトウエア関係の開発を、道内企業に委託している」と述べた。試作ライン稼働後は、設備メンテナンスなどで道内企業との取引は増えるとの見通しを語った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。