パナソニックホールディングス傘下の電池事業会社であるパナソニックエナジーは20日、東洋製缶グループホールディングス(GHD)の子会社と共同で、使用済み乾電池から肥料の原料へのリサイクル(再利用)を始めると発表した。パナエナジーが農業用途に電池を再利用するのは初めて。肥料は2024年度中に販売する。
東洋製缶GHDの子会社で材料メーカーのTOMATEC(大阪市)と共同でリサイクルする。パナエナジーは小売店舗などから同社製の乾電池を回収し、亜鉛やマンガンを含む金属粉に加工する。TOMATECはこの金属粉を溶かした物質を原料として、肥料をつくる。販売はTOMATECが担う。
乾電池由来の亜鉛やマンガンによって、土壌に不足するミネラルを補えるという。単3形乾電池1本から100グラムの肥料に必要な金属粉を採取し、約25平方メートルの農地に活用できるという。肥料は果物や野菜など幅広い作物向けに使用できる。
パナエナジーは23年から、国内の小売店舗を通じて家庭などの使用済み乾電池を回収している。同社によると、現状では約5割の乾電池が適切に処理されていないという。環境に配慮した電池メーカーとしてアピールする。
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