現在は乗用車の製造販売とOEMで小型トラックを販売しているマツダが、かつてはバスを製造・販売していた。世界唯一の量産型ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツやRX-7など、個性派スポーツカーが得意なメーカーというイメージが強いマツダが作っていたバスとは!?
●車両データ:マツダ(東洋工業)パークウェイ26 AEVB/AEXC
(記事の内容は、2021年3月現在のものです)
執筆/バスマガジン編集部 カタログ提供/難波有 写真/マツダ
※2021年3月発売《バスマガジンvol.106》『懐かしバスのお宝カタログ』より
■楽しい雰囲気にまとめつつ装備も先進的! ロータリーエンジン搭載バスも!?
今回紹介するカタログのモデルは東洋工業(現在のマツダ)の「パークウェイ26(AE)」で、1972年4月にライトバスの後継として登場した。さらに クラフト・ライトバスの後継としてパークウェイ18も登場している。
トラックのタイタンをベースとし、エンジンはガソリンは2000ccのVA型、ディーゼルは2500ccのXA型の2種を搭載、テールランプはファミリアロータリークーペのものが流用されていた。
1974年7月には、ロータリーエンジン(13B/120ps)搭載のパークウェイロータリー26が追加設定されたが、生産台数はわずか44台にとどまり、[ロータリーエンジンのバス]として今も伝説として残る。
26は1977年11月にマイナーチェンジを受け、ディーゼルエンジンが3000ccのHA型に変更され、型式もVA型となった。このころ、マツダのエンブレムもMAZDAから現在のmazdaに変更されている。
カタログでは、小型バスというキャラクターを生かし、送迎や仲間同士のグループ旅行、そして幼稚園バスなどが設定され、全編に渡って楽しいムードで紹介されている。
さらに運転席の先進的な装備にも力が入っていることも強調されている。
事実このパークウェイ26の性能は高く、強靭なサスペンション、パワーのあるエンジン、高い経済性や信頼性、安全性が徹底追求されており、クラス最長3285mmのロングホイールベース、ワイドトレッド、スタビライザーの採用、サスペンションのバネ特性の最適化など、かなり贅沢な性能を装備していた。
エンジンは92psの2000ccガソリンと、2500cc・77ps〜2700cc・81psに強化したディーゼルをラインナップ。
内装も乗用車感覚のモダンなデザインであり、客席シートの座り心地の良さも伝わって来る。室内用の設備として、ラジオや強力ヒーターを標準装備し、ソフトな天井トリムを採用するなど、広く高級感のある空間を実現している。
カタログの随所に配置されたコマ写真が実に丁寧であり、この1冊から以上の情報が得られる点が、カタログとしての秀逸さを物語っている。
なお、エンジン紹介のページの下段に、[ロータリーエンジンを生んだ東洋工業《マツダ》。]のコラムがあり、そこにファミリアロータリークーペの写真を掲載、ロータリーエンジン技術のアピールを行っている。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。