メルセデスベンツは12月9日、新型電気トラック『eアクトロス 600』の納車を開始したと発表した。11月末にドイツ・ヴェルト工場で量産が始まったばかりのこの革新的な車両は、ドイツの物流業界に新たな風を吹き込もうとしている。
同社は年内に約50台をドイツ国内の顧客に納車する予定だ。この迅速な展開を後押ししているのが、ドイツ連邦デジタル交通省による補助金制度。一方で、生産開始直後の数か月間は、多くの車両がデモンストレーション用として各支店やディーラーに配備される。
eアクトロス 600は、600kWhを超える大容量バッテリーを搭載し、自社開発の高効率電動アクスルを採用している。これにより、40トンの総連結重量で、実用的な条件下でも500kmの走行が可能だ。さらに、運転スタイルやルートによってはこの距離を大幅に上回ることもある。
メルセデスベンツの新型電気トラック『eアクトロス 600』注目すべきは、1日1000km以上の走行も視野に入れていることだ。これは、法定のドライバー休憩時間中に中間充電を行うことで実現可能となる。現在はCCS充電で最大400kWの充電が可能だが、将来的にはメガワット充電にも対応する予定だ。
バッテリーには、長寿命が特徴のリン酸鉄リチウム(LFP)セル技術を採用。メルセデスベンツ・トラックスの開発エンジニアは、従来の長距離用『アクトロス』と同等の耐久性を目指して設計を行った。その結果、10年間で最大120万kmの走行が可能となり、使用期間後のバッテリー寿命は80%以上を維持できる見込みだ。
さらに、LFP技術の利点として、他のバッテリーセル技術と比較して、搭載容量の95%以上を使用できる点が挙げられる。これにより、同じバッテリー容量でもより長い走行距離を実現している。
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