Cocokaraを立ち上げた高橋奈美さん(左)と荒木美里さん=札幌市中央区で2024年3月22日、今井美津子撮影

 ホテルに宿泊して産後間もない母親に体を休めてもらいながら、体のケアや授乳の指導などを受けられる「産後ケアホテル」を北海道に作ろうと、任意団体「Cocokara(ココカラ)」を立ち上げた。昨年11月には札幌市内のホテルを間借りし、1泊2日限定で初のサービスを提供。現在は事業化への道を模索している。

 代表の高橋奈美さん(30)は長女(2)の出産後にうつ状態になった。そんな時にたまたま道外の産後ケアホテルの存在を知り、「札幌にないなら自分で作ろう」と決意したという。

 2022年、写真共有アプリ「インスタグラム」で産後ケアホテルの必要性を訴えると、共感した副代表で助産師の荒木美里さん(38)が高橋さんに連絡。設立に向けて二人三脚で取り組んできた。

 現在は5月末に閉館するセンチュリーロイヤルホテル(札幌市中央区)で2泊3日のプランを提供している。利用者は宿泊中、24時間いつでも赤ちゃんを隣の部屋に待機する助産師らに預けることができ、オプションとしてエステなども利用できる。宿泊後のアンケートには「久しぶりにゆっくりできた」など満足の声が寄せられているという。

 一方、利用には数万円の費用がかかるため諦める人もいるといい、クラウドファンディングによる資金調達など安定したサービス提供に向けて模索中だ。「産後ケアホテルは、助産師との距離が近い助産院とは別の魅力がある」と荒木さん。高橋さんは「多くの人が利用しやすくするため、行政の助成が受けられれば。今後はホテルの方々と交渉し、常設できるようにしていきたい」と目標を語った。【今井美津子】

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