立ち枯れが深刻化している蔵王のシンボル・樹氷の再生に向けて、「アオモリトドマツ」の種まきが行われた。

蔵王の山頂付近では、樹氷を形作る木「アオモリトドマツ」の立ち枯れが深刻化している。
虫に食べられる被害によって、現在は全体の2割近くの2万3000本が枯れている。

県は2023年3月、市町村や観光関係者などでつくる「樹氷復活県民会議」を設立し、樹氷の再生に向けた取り組みを始めた。
この日は蔵王の標高1400メートルにある県の試験ほ場で、2回目となるアオモリトドマツの種まきが行われ、観光関係者など約20人が参加した。

(リポート)
「こちらが樹氷を作るアオモリトドマツです。その種がこちら。きょう植えた種は50年から70年をかけて大きな木に成長していきます」

1年前は800個の種をまいたが、発芽して約2センチまでに成長したのは3割程度にとどまった。そのため今年は、去年の3倍にあたる2400個の種を用意。
参加者たちは、動物に種が食べられる被害を防ぐための柵を設置したあと、1粒1粒手作業でまいていった。

(山形市観光協会・横山健一郎さん)
「去年も参加したがなかなか大変な作業だと思った。成長に10年・20年、長いと50年くらいかかると聞いている地道な作業を継続的に続けていきたい」

(県みどり自然課・石山栄一課長)
「まだ試験段階。毎年、事例を積み重ねて、少しでも早く樹氷を復活できたらいい」

この日まいた種は、約6年をかけて20センチほどに成長させたあと、山頂付近に移植される。

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