唯一ワクチンで予防できるがん「子宮頸がん」。定期接種を逃した世代を対象にした「キャッチアップ接種」が2024年3月まで行われていて、30日は長崎大学でも集団接種がありました。
子宮の出口に近い部分にできる「子宮頸がん」。
日本では毎年約1万1000人がかかり、約2900人が亡くなっています。
その原因となるHPV=ヒトパピローマウイルスへの感染を防ぐワクチンの接種が、長崎県内でも行われています。
長崎県医師会 森崎正幸会長
「効果があるのは中1から高1。つまり性交が入ってくる前の年齢。そこだったらほぼ100パーセント近くウイルスの感染を防げる」
現在は9種類のHPVの感染を防ぐ「9価ワクチン」が主流となっています。
小学6年から高校1年に相当する女の子は無料の定期接種の対象です。
しかし、接種した後に関節痛や重い頭痛など一部に体調不良を訴える人が出ました。
その後の検証でワクチン接種との因果関係は証明されなかったため、国は2021年に接種の呼びかけを再開。
その間、接種を受けていなかった人たちを対象に2024年3月まで公費負担によるキャッチアップ接種が行われています。
長崎大学や大村市もキャッチアップ世代を対象にした集団接種に取り組んでいます。
期間をあけて3回打つ必要があり、1回目を9月までに接種すれば3回とも無料で接種できます。
長崎県医師会 森崎正幸会長
「進行がんになってしまったら100パーセント子宮を取ってしまうことになる。前がん状態、あるいは初期がんであれば子宮の出口だけを円錐状に切り取ることができる。そうすると子宮が温存できる。妊娠できる体で残せる。それは大事なことだと思う」
クリニックなどでは接種後30分間は安静にしてもらい、万一、手の痺れなど副反応が出た場合は大学病院と連携して対応に当たることにしていて、安心して受けられる環境をととのえているということです。
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