母が買ってくれたピアノを心の支えに成長した女性の半生を描いた“LONGLIFE STORY”というショートムービーが今、ネットを中心に話題になっている。
主役は俳優の山下リオさん。軽快なピアノのイントロで始まる主題歌は、バンド・MONO NO AWAREが書き下ろした。
この記事の画像(9枚)YouTubeには、「涙がどくどく流れてきました」「映像もストーリーも、音楽も全てが美しい 愛おしい」などのコメントが寄せられ、再生数は250万を超えた。
このショートムービーのモデルは実在する。
制作したのは、住宅ブランド「HEBEL HAUS」を手掛ける旭化成ホームズ。ところが、映像には家の性能はおろか、「ヘーベルハウス」の「ヘ」の字も出てこない。
へーベルハウスを舞台にした、そこに住まう”家族のつながり”やその”家族の想い”。それこそが、家の性能やブランド名よりも伝えたいものだという。
“ピアノが中心にある家を建てたい”
「ミ・ミ・ミ ミ・ミ・ミ ミ・ソ・ド・レ・ミ」
ショートムービーは、双子の女の子が一つの鍵盤で奏でる「ジングルベル」から始まる。
その様子をキッチンから優しいまなざしで見守る母親。2人の背中を見つめながら、自分の子供時代のピアノとの出会いを思い出すという物語だ。
“お母さんお母さん ピアノがやりたい。”
“やりたいことは、なんでもやってみるといいよ。”
母親との何気ない会話から始まったピアノとの付き合い。
がむしゃらに鍵盤を叩いた小学生時代。
帰宅するやピアノに直行していた中学時代。
リビングの中心に置かれたピアノで演奏するときは、いつも家族の誰かが見守ってくれた。
髪を金髪にして夜まで帰らなかった高校時代も、ピアノは弾き続けた。
大学卒業後は家を出て小学校の教諭になり、時には、生徒の合唱に合わせてピアノを弾くことも。
そして忙しい日々を送る中、新しい家族ができた。今日は、新しく家を建てるため、ハウスメーカーとの打ち合わせだ。
“ピアノが中心にある家にしたいです。”
願い通りの、リビングにピアノのある住まい。
子どもたちの“ピアノがやりたい”という言葉に、母と同じように声をかけた。
“やりたいことは、なんでもやってみるといいよ。”
今は、自分もそうされてきたように、楽しそうに鍵盤を叩く娘たちを見守っている。
始まりは一枚の写真
このムービーが生まれたきっかけは、一通の投稿だった。
2022年、HEBEL HAUSのオーナー専用の情報サイト「HEBELIAN NET」で、家への想いや暮らしぶりを投稿する企画が行われた。
400件を超える投稿が寄せられた中で、一枚の写真が旭化成ホームズの金田裕樹さんの目に留まった。
そこには、幼い2人の子供がお揃いの服を着て並んでピアノに向かう姿と、ある女性のコメントが添えられていた。
「我が家のリビングにあるピアノ。
赤ちゃんのころから、わたしがピアノを弾いていると、いつもリズムに乗り、のりのりで興味津々な2人でした。
初めて2人でピアノを弾いたときのうれしそうな顔と楽しそうな表情が印象的でした。
それから、4年経ちました。
2人はいろいろな曲を家族に弾いて聞かせてくれるまでに成長しました」
心を掴まれた金田さんは、「この家族の物語をドラマ化したい」と思った。その時の思いをこう話す。
「私たちが提供する商品は家ですが、そこで営まれる暮らしと育まれる想いにずっと寄り添っていくことが使命だと思っています。投稿を見たとき、このような素敵な暮らしと想いがヘーベルハウスから生まれていることをたくさんの方に知っていただきたいと思ったのです」
「完成版を見て泣いた」
金田さんはさっそく投稿者にコンタクトをとり、企画を説明し、ドラマ化の承諾を取り付けた。そして自ら取材をおこなってヒストリーを聞き取った。
当初は投稿に出ていた双子を主人公にしようと考えていたが、話を聞いていくうちに、やはり、双子の母親を主人公にしようと考え直した。
金田さんが取材を進めていくと、双子の母親のピアノに対する想いが世代を超えて受け継がれていることを知ったからだ。
主人公にした双子の母親は子供時代に、自身の母親であり双子の祖母から「やりたいことは、なんでもやってみるといいよ」と、ピアノを習わせてくれたという。
しかし、その祖母は家庭の事情でピアノを習うことすらできなかった。
それだけに祖母から双子の母親へ、そして双子の母親から娘たちへ、“思う存分ピアノを楽しんでほしい”という思いが連綿と続いている。
見守られながらのびのびとピアノを続けた双子の母親にとって、ピアノは趣味として心の支えとして、人生に欠かすことのできない存在になった。
それから家族を持ったことで、双子の母親は自分が育ったような“ピアノが中心にある家”を建てたいと思ったという。
そんなヒストリーと親子で受け継がれたピアノへの思いが、物語の核になると金田さんは直感した。
さらに金田さんは取材からシナリオ制作にもかかわり、撮影現場にも同席。そして、このムービーの大切な要素である主題歌の書き下ろしを、MONO NO AWAREの玉置周啓さんに依頼した。
「ピアノから始まるイントロが印象的な、透明感のある素敵な曲に仕上がっています。“名も知らないオタマジャクシ” “背中を押した一の指”など、ピアノに掛けた遊び心のある歌詞にも注目してください」(金田さん)
楽曲タイトル『88(パチパチ)』は、 拍手の擬音語であるとともに、ピアノの鍵盤数「88」を表している。玉置さんがこのタイトルを思いついたきっかけは、ピアノに向かっている双子の写真を見て、背中が8と8に見えたからだとか。
「初めて動画と音楽が合わさった完成版を見たときは思わず泣いてしまいました。母から娘へ、そして双子の娘たちへと受け継がれる想いがしっかりと伝わる作品になったと思います」(金田さん)
ヘーベルハウスは“LONGLIFE”の舞台
「商品の説明を出さないことには社内でも賛否両論ありましたが、あえてそうすることで、私たちが大切にする “LONGLIFE”という思想をしっかり表現できたと思います」
旭化成ホームズは、1998年から「ロングライフ住宅」宣言をして、50年長期点検などを導入し、高耐久で資産価値が長く続く住宅を供給してきた。
今ではその考えをさらに進化させた“LONGLIFE”を掲げている。
「人生100年時代、住宅が長くもつことはもはや当たり前。私たちの考える“LONGLIFE”は、安全や安心、家族や人とのつながり、そしてそこで生まれる幸せがずっと続くという意味も含んでいます。私たちは、ヘーベルハウスという舞台を提供することで、皆様の“LONGLIFE”に寄り添っていきたいと願っています」
今、金田さんは新たな“LONGLIFE STORY”の制作に取り掛かっている。
「今、全国には約30万棟のヘーベルハウスがあり、そこには30万通りのその家族ならではのいろんな家族の想い“LONGLIFE STORY”があります。新たな家族の物語にご期待ください」
HEBEL HAUSスペシャルムービー「LONGLIFE STORY」第二弾
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。