2023年の猛暑などが原因で、全国的にコメの在庫が不足している。全国一のコメの生産量を誇る新潟でも販売数を制限するスーパーが出てきている。JAによると、県内のコメ不足は9月中旬には落ち着く見通しだという。

コメ不足 スーパーでは販売数に制限

新潟県三条市のスーパー「マルセン」。コメ売り場には「1人一袋」の購入制限を求める知らせが貼られていた。

スーパー「マルセン」
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太田雅悠専務は「全体的に入荷の数量が全く入らなくて、致し方なく。数量制限を設けるのは20年くらいスーパーをやっているが初めての状態」と話す。

農林水産省が7月に発表した、6月末の民間流通における在庫数は統計を取り始めて以降、最も少ない156万トン。

2023年の猛暑により、コメの品質が低下したことで精米した後にとれるコメの量が減少したことなどが要因とされている。

仕入れに奔走…確保できるコメは例年の4分の1

この状況は、新潟県内のスーパーにも顕著に表れている。

太田専務は「この時期だと、コメは棚のギリギリまで積んでいることが普通。今はコメを積めない状態が続いている」と話す。

コメの棚には余裕が

店のバックヤードを見ると、本来、コメの在庫はラック2つ分確保されているが、現在は1つ分。その数も隙間があり、容量の半分ほどとなっていた。

スーパーでは連日、仕入れの確保に奔走しているが、「コメの仕入れルートは2社持っているが、そこだと量が足りなすぎて今、普段仕入れないところからも何とか用意していただけないかとお願いしている」状態で、確保できるコメは例年の4分の1ほどだという。

在庫も少なく…

購入制限がかかる状況に来店客からも「ちょっと困る。供給が平らにあればいいと思う」「日本人として困ったもの。やっぱりコメ第一」「これだけ買えば3週間くらいもつかな」などと心配する声が聞かれた。

新米の時期まであと少し…「最後までしっかり調整を」

県内では、極早生品種の「葉月みのり」の出荷が始まるなど、これから新米の時期を迎えるが、食卓を支えるスーパーは新米が店頭に並ぶまでの在庫の確保に引き続き力を注ぐ考えだ。

「古米が追いつかなくて新米まで空いてしまうなんていうことはスーパーにとってあってはならないことだと思う。米どころ新潟といえど、最後までしっかりと調整していかなければいけないと考えている」

JAによると、今後コシヒカリの新米なども市場に出回るため、県内のコメ不足については、9月中旬に解消される見通しだという。

(NST新潟総合テレビ)

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