府が作成したヤングケアラーの啓発漫画の一場面

 大人に代わって家族の介護や世話、家事をする「ヤングケアラー」を主人公にした啓発漫画を、京都府が京都精華大と協力して作った。A5サイズ24ページの冊子15万5000部を、府内の中学生と高校生全員に近く配布する。

 厚生労働省の調査では、いずれも公立の中学2年生の5・7%、全日制高校2年生の4・1%が、家族のケアをしているとの結果となった。だが、ヤングケアラーは表面化しにくい傾向があるとされ、支援にもつながりにくい。そこで府はヤングケアラーへの理解や当事者世代の認知度を上げ、相談窓口の周知にもつなげていこうと啓発漫画を作成した。

 漫画のタイトルは「きみが選ぶ物語~ケアのある日々の中で」。京都精華大マンガ学部の学生が作画した。家族のケアを担う高校2年の女子生徒が主人公で、彼女の日常や心情が描かれている。後半では、周囲との関わりから支援につながり、自身の夢と向き合う物語となっている。

 漫画の最後に、セルフチェックシートやヤングケアラーに関する相談窓口も分かりやすく紹介。府は啓発漫画を「府ヤングケアラー総合支援センター」のホームページ上でも公開し、広く周知する。【久保聡】

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