記者団の取材に応じる自民党の長谷川岳参院議員=12日午後、国会内

北海道や札幌市の職員に対する威圧的な言動などが指摘されている自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区)が12日、国会内で記者団の取材に応じ、「365日24時間の覚悟で全面的に自分自身の表現を変えていく」と強調した。記者団との主なやり取りは以下の通り。

面談は依頼受けてから調整

──長谷川氏を巡って道職員や市職員らへの威圧的言動が問題視されている

「表現方法が時代に合わなかった。時代対応できる表現に全面的に変えていく」

──北海道庁は道幹部職員に対し、国の予算成立時に長谷川氏にお礼のメールを送るように指示していた

「予算成立後、メールがたくさん来るのでびっくりした。引退する人には『長いことお疲れさまでした』などと一件一件丁寧に答えている。そのような報道に驚いている」

──長谷川氏対応のため北海道幹部の出張は年間60回超に及ぶ

「他の議員の方も含めた回数だ。私単独で来ているのは16回。(道幹部や市幹部が東京に出張する際は)必ず面談の依頼書を道庁や札幌市からもらった上で答えている。われわれの方に(呼び出す)権限はなく、必ず面談の依頼書を受けてから調整に入る。このようなやり方は妥当だと思う。来なかったからどうだとか、来るからどうだとか、そういう話で対応することは全くない」

──16回の内容は

「昨年ホタテに関する水産事業者から東京電力福島第1原発処理水の問題で(中国が日本産水産物の輸入を禁止して)仙台以北に相談窓口が一個もないと。『資金繰りの問題で窓口を(作ってほしい)』ということで、急遽(きゅうきょ)北海道庁と東電と複数回調整した。11月の段階で紋別市と長万部町というホタテの産地に相談窓口を置くことができた。それで資金繰りにつながっていることもある」

──札幌市の秋元克広市長が10日の記者会見で「厳しい言葉で萎縮した職員が複数確認された」と述べている

「本当に申し訳ないことだと思っている。表現方法を改めていく、と改めて感じる」

議員辞職の考えは否定

──萎縮した幹部職員らに直接謝罪する考えは

「申し訳なかったと思っている。活動の中で表現方法を変えながらやっていきたい」

──「国会議員はそんなに偉いのか」など世論の怒りも指摘される。責任をとって議員辞職する考えはないか

「表現方法は自分の政治活動の中で最優先事項にしていかないといけないと改めて思った。しっかりとこれからも対応していきたい」

──議員辞職の考えはないと

「地域活動に全身全霊で地域のために活動していきたい」

──官僚も長谷川氏から威圧的な言動を受けている。客室乗務員への「非常に横柄な態度」も指摘された。

「これだけ皆さまに指摘いただき、自分も無自覚だったことを非常に恥じている。そういう汚点を教訓にして、全面的に自分自身の表現方法を変えていく。市の職員や道の職員のみならず、自分の365日24時間すべてだという覚悟だ」

──表現方法を主張するが、政治姿勢や人間としての姿勢が問題との認識ではないのか

「表現方法が一番の言い方だと思っている。政治姿勢といえば、国会議員になってから、特に地域・地方の部分を意識して活動してきた、そこだけはぶれずにやってきた。今回の出張も含めて地域の課題を解決するための出張であることは間違いない。政治姿勢についての話ではない。自分の表現や対応は全面的に変えていきたい」(奥原慎平)

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