長崎県島原半島を通過した台風10号。一夜明け日常が戻りつつあるが、長崎県内では建物や農作物などに被害が出ている。スーパーは商品が通常の3割減の品揃えとなり、観光農園では旬の果物が大きな影響を受けている。
全体の4割の梨に影響
台風が通過した南島原市では、果物が被害を受けた。シーズン真っ只中の「梨」だ。
この記事の画像(10枚)南島原市有家町の松尾観光梨園では、全体の4割に当たる約2000個の梨が台風の強風にあおられて落下。30日朝から回収作業に追われた。来月以降に収穫予定だったという。
松尾観光梨園・松尾一男園主:
台風の規模が規模だったから想定内といえば想定内。落下数は例年にしたら多い
最も被害を受けたのは9月中旬から下旬に収穫を迎える「新高」。熟れる前に落下したものは、傷がなくても廃棄するほかないということだ。傷ものとして売れるものを選別する作業に追われる。
観光農園はすでに梨狩りはシーズンを迎えていて、早期の復旧を目指すとしている。
商業施設再開で客が列を作る
長崎県内の商業施設などでも多くが営業を再開。大型商業施設では開店時間を遅らせて午前10時にオープン。
開店前から買い物客が列を作った。客は「食料が尽きていたので助かる」と日常が戻ってきたことに安どの表情を見せていた。
市内のパン屋も営業を再開。公共交通機関で通勤するスタッフもいることから営業時間を変更し、開店時間を遅らせた。
スーパーは商品が3割減
物流にも影響が出ている。こちらのスーパーでは長崎県内で生産・加工する商品のほか、福岡から仕入れている惣菜など一部で品薄の状態となった。
Sマート新大工店の宮崎洋(※崎は立つ崎)次長は「工場が台風の関係で操業していない。配送も止まっていて、商品が揃っていない状況だ」と話す。
食パンや菓子パンなどは台風に備えて買う人が多かったため在庫も少なくなっているという。
鮮魚コーナーでは養殖ものを多めに仕入れて対応しているが、一部のパンや惣菜は31日まで入荷できない状態が続く見込み。商品は全体的に3割減となっているが、2~3日で状況は回復してくるとみている。
日本郵便は30日まで県内の郵便局の窓口業務を休止。佐川急便は対馬市と五島市で荷物の預かりと配達を取りやめている。台風の動きが遅く、週末にかけて本土へ接近することから、物流が通常に戻るにはもうしばらく時間がかかりそうだ。
(テレビ長崎)
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