花もなく絵もない
施設の個室で妻は
窓だけは宝石だという
辛夷が咲き桜が咲くと
青い小鳥が来てくれる
土手行く人は美しく
流れる雲に誘われて
私も行きたい北の古里 窓は下界への出口
やがてここ退所したら
外から窓が見えるのね
うん、そのときは二人
手をつないでね
東京都葛飾区 佐々木恒男(91)
(選者 八木幹夫) >「朝の詩」応募のきまり

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