秋田県大仙市にある小学校で長年「全校音楽」という活動が続いている。全校児童による歌や楽器の演奏は迫力満点で、子どもたちは音楽の楽しさを覚え、気持ちに変化が生まれているようだ。
楽器を手に次々と体育館に集まってくる児童たち。大仙市の大川西根小学校では、1961年から全校児童で楽器を演奏し、親や地域の人たちに披露する「全校音楽」に取り組んでいる。
「伝統を引き継ぎ みんなで協力 心を一つにきれいな音を奏でよう」が合言葉だ。
10月3日。市内で行われるイベントに向け、全校児童63人が練習に取り組んでいた。
4~6年生がバイオリンやトランペット、太鼓などを演奏。1~3年生までは歌や鍵盤ハーモニカ、リコーダーを担当する。
5年生は「楽しい。楽器の楽しさと音楽の楽しさを知ることができた。楽器は特徴的なものがあってすごい」と話す。
楽器は、地域の人や卒業生から寄付されたものを使っている。全校音楽は、まさに地域に愛されている活動だ。
加藤雅人校長は「楽器を始めるときは難しくて音を出すのも大変だが、少しずつ音が出る時間が長くなり、音も良くなり、1年が終わるころにはみんなで合奏もできて大きなハーモニーになる。その過程が素晴らしい」と活動の意義を語る。
また、全校児童での演奏のほかに、児童オリジナルのミュージカルも取り入れている。2024年度のテーマは「人と人 つながる思い 未来の夢」。物語も劇中に流れる曲も6年生が考えた。
児童たちは音楽の楽しさを知り、自分自身の気持ちに変化を感じているようだ。
5年生:
「前はできなかったことも、挑戦してできるようになった」
6年生:
「全校音楽をやってきて良い経験になった。普通では触れることのできない楽器に触れて驚いたし、うれしかった。人前で話すのがあまり好きではなかったけれど、インスペクター(まとめ役)として人前で話したことで、とても変わったと実感した」
「全校音楽」は、10月26日に大仙市の大曲市民会館で開かれる「楽器まつり演奏会」で披露される予定。
加藤校長は「地域に根差した西根地区のとても大切な文化なので、大切にしていきたい。お父さん、お母さんも大切にしてくれている。人数は減ってきているが、続けていきたい」と力強く語った。
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