俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。前回に引き続き、兵庫県・尼崎市を訪れました。
■市外局番が大阪と同じ「06」 きっかけは尼崎の“商売魂”
尼崎市は兵庫県ですが、電話の市外局番は大阪と同じ「06」。一体なんで?
「三和本通商店街」で街の人に聞くと、「大阪の会社と取引していた会社が、大阪と同じ局番にするため自分で引いた」という有力情報がありました。
明治時代から多くの企業が工場を置き“産業の街”として栄えた尼崎。取引先が集まる大阪への連絡は何より重要でしたが、当時は尼崎と大阪をつなぐ電話回線がありませんでした。
そこで1893年(明治26年)、「尼崎紡績(現ユニチカ)」が大阪市内~本社まで、13キロに渡って自費で電柱を立て、電話線を引いたのです。
「ないものは作ればええ」。そんな尼崎の商売魂から大阪の取引先との結びつきは一層強まり、のちに大阪の電話局管内に尼崎市が編入。市外局番を整備するタイミングで、大阪と同じ「06」となったのです。
■伊勢神宮にも奉納 人気ジュース店の“すごい粉”
商店街で2017年に開業した「じゅうす農園」は、厳選素材の生ジュースが自慢のお店。
12種の野菜を粉末にした「さらだ粉」という商品がありました。料理などに混ぜて手軽に栄養を取ることができます。伊勢神宮外宮にも奉納されているそうです。
大東さん、「さらだ粉」を使った「農園じゅうす(380円)」をいただきました。りんごとバナナをベースに「さらだ粉」と、数種類のスーパーフードをブレンドした粉末をミキサーにかけたもの。濃い緑色ですが、野菜が苦手でも飲めると評判です。
「めちゃくちゃおいしい!」と大東さん。「さらだ粉」は店頭では売り切れでしたが、「ネットで注文します」と、とても気に入ったようです。
■航空機部品製造の町工場 万博に「尺八」出展目指す
古くから製造業が盛んな尼崎。大手農機具メーカー「ヤンマー」は、尼崎工場でディーゼルエンジンの小型実用化を世界で初めて成功させました。
他にも、創業から100年以上の歴史を持つ湯たんぽのメーカーがあるなど、物作りの街として有名です。
航空機やフォークリフトなどの部品を作る町工場「ゼロ精工」を訪ねると、意外なものがありました。新たに開発しているのは…。
【ゼロ精工 佐藤雅弘社長】「『尺八』、3年ほど前から開発中で」
コロナ禍で世界中の航空機が運航しなくなり、売り上げが9割も減ったゼロ精工。
そんな時、尺八の師範から「金属の尺八を作りたい」という要望を受け、作ってみることにしたのです。竹製の尺八の重さに近づけるため、アルミニウムよりも軽い「マグネシウム合金」を使うことに。しかしマグネシウム合金の加工は難しく、高い技術が求められます。
まだ試作段階ですが、2025年の大阪・関西万博までに完成させたいと考えていて、いま9割ほどの仕上がりだそうです。
佐藤社長は「絶対、万博には間に合わせないとあかんのですよ。『金属の尺八の発祥は尼崎』だと」と、熱く語りました。
いつか金属製が主流になって、「尺八って竹やったの?」という日が来るかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2024年10月10日 木曜日放送)
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