金の価値が上がり、10月16日には過去最高値1グラム1万4088円を更新しました。
今後も高水準が続く見通しとなっています。
北海道南部の金山跡地には海外企業が金山開発の調査を計画しています。
果たして金は出てくるのでしょうか。
なぜこの場所?
北海道南部の静狩金山で、約80年ぶりの金の採掘が再び注目されています。
戦時中に政府の指示で閉山した同鉱山を巡り、海外企業が試掘権を取得し、再び金が採れる可能性を探る調査を進めているのです。
試掘権を取得したのは、海外企業の子会社「JapeX(ジャペックス)」。担当者によると、静狩金山は戦時中に政府から強制的に閉山させられたため、有望な鉱脈がまだ残っている可能性があるといいます。
静狩金山 過去には…
実際、静狩金山では1918年に本格的な採掘が始まり、戦前の総生産量は5089kg、全国9位の生産量を誇っていました。
しかし、1943年に戦争の影響で強制的に閉山。
以来、鉱山は眠ったままとなっています。
地元民は”期待と不安”の声
一方で、試掘計画に対して不安を感じているのが地元住民です。
特に多くの声が上がっているのが、環境への影響です。
自然豊かな北海道南部の地域で、金の採掘が環境を損なうのではないかという懸念が広がっています。
「金の採掘で自然がどう変わるのか、住民にはイメージが湧かないため、不安も大きいです」(地元住民)
こうした声に対し、試掘権を取得したJapex担当者は「黒松内町は朱太川をはじめ、自然環境が豊かであることは認識している。ただ、当社の探鉱事業は現環境を変えず調査するだけのものであってその点を丁寧にご説明したい。われわれの事業をさらに進めるためには、地域との信頼関係と透明性の確立が必要」と強調しました。
過去には旧手稲鉱山の廃坑水事故も
試掘が進めば、将来的には本格的な採掘が行われる可能性もありますが、そこで懸念されるのが環境問題です。
札幌市の旧手稲鉱山では、1986年12月、星置通洞抗の坑口から抗廃水の異常出水により道路が冠水し、国鉄も運行停止になるなど、周辺地域に被害が及びました。
濁水にはカドミウムやヒ素といった有害な重金属も含まれており、環境への影響が問題となりました。
静狩金山で再び金が採れるようになれば、過疎化が進む地域にとって大きな経済効果が期待できます。しかし、その一方で、地域の自然環境を守るための慎重な対応が求められます。
北海道でゴールドラッシュの再来が実現するのか、注目が集まっています。
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