人工知能=AIを使った「自動運転ミニカーバトル」に、愛知県蒲郡市の海陽学園に通う中学生チームが参加しました。大手メーカーの技術者も参加する中で挑む、中学生の姿を追いました。

■“次世代のリーダー”目指す学生が挑む

愛知県蒲郡市の海陽学園は、トヨタ自動車やJR東海、中部電力など地元企業が中心となり開校した中高一貫校です。目指すのは“次世代のリーダーの育成”で、生徒は全員寮生活を送り、切磋琢磨するとともに課外授業にも力を入れています。

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その一つが自動運転のプログラミングで、市販のラジコンをベースに、人工知能「AI」を駆使してコースを自動で走らせます。

■ラジコンをAIで…中2が挑む「自動走行」

中学2年生の中島健翔くんたちのチームは10月3日、開催が迫った「自動運転ミニカーバトル」の予選会のために準備をすすめていました。

中島健翔くん:
自動走行が成功した時は達成感というか、とてもうれしいですし、逆に失敗したらなんで失敗したんだろうとか、何が悪かったんだろうと振り返れてとても楽しいです。

まずはラジコンを操作し、車体に付けたカメラでコースを録画します。その映像をAIに学習させ、最適なルートを自動で走行するというものです。

データを取っていると、クラッシュして車輪が外れ、なくなってしまいました。

中島健翔くん:
ぶつかった衝撃で車軸が外れちゃったみたいで、どっかいっちゃいました。

困った生徒たちを支えるのは、企業から派遣される「フロアマスター」と呼ばれる人たちです。共に寮で暮らし、生徒をサポートしています。

フロアマスターの伊東さん:
東邦ガスから本校に出向していまして。生徒の面倒を見るのが業務です。生徒のお兄さんのような存在で、相談にいろいろのっているようなかたちですね。

この日は結局動かないままでしたが、果たして本番はうまくいくのでしょうか。

■大人に混じり挑んだ大会「ミスがあったとしても実行できるAIを」

10月6日、自動運転ミニカーバトルの予選が行われました。出場するのは、自動車メーカーの技術者やプログラマー、大学生など26チームです。

1チームの持ち時間は12分で、9メートル×7メートルのエリアに作られたコースを3周してタイムを競います。コーンの間をスラローム走行したり、電光掲示の矢印通りに進めばタイムが減り、有利になります。

中島くんのチームは、まずはカメラで撮影しコースのデータを集めます。そしてAIに学習させて、本番に挑みました。しかし、何度も壁にぶつかってしまいます。

中島健翔くん:
これさ、絶対データ変えた方がいいよ。絶対これ今回ミスってる。

試行錯誤するも、何度も失敗。タイムリミットが迫るなか、データを修正しラストチャンス。今度は、ほぼノーミスで38.9秒で3周を走り切りました。

中島くんのチームは26チーム中10位で、決勝進出の8位まであと一歩でした。次の2025年こそはと、リベンジを誓います。

中島健翔くん:
ミスがあったとしてもちゃんと実行できるAIをプログラムできたらいいなと思います。AIの難しい点も含めて面白いので、(将来は)IT関係に就けたらなと思います。

(東海テレビ)

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