東京都千代田区の麴町学園女子中で30日、小説家のあさのあつこさんを招いた特別講義があった。1、2年生ら約290人が「本は自分を違う世界に連れて行ってくれるツール」というあさのさんの言葉に、耳を傾けた。
人気小説「バッテリー」で知られるあさのさんは、中学生の時に海外ミステリーにはまったことがきっかけで小説家の道を志したという。講義では、周囲にそのことを言えなかったものの、信念を貫き夢をかなえた経験に触れ、「皆さんは脇役ではない。歌や踊りなど好きなことで自分を表現してほしい」と語りかけた。講義に参加した2年生の佐藤彩寧さん(13)は、「周りに流されることが多かったが、これからは自分の意見をしっかりと言えるようになりたい」と話した。
物語の続きを自由に思い描くワークショップもあり、生徒たちはグリム童話「ブレーメンの音楽隊」にもう1匹登場させるならばどのような動物か考えた。「年老いたヘビ」や「迷子になったかえる」など回答はさまざま。あさのさんは「名前をつけてあげるとより物語が動き出すよ」などとアドバイスしていた。
特別講義は、社会人による学び直し「リカレント教育」の一環として保護者も招かれ、関係者にライブ配信もされた。【橋本陵汰】
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