福岡県嘉麻市にある一風変わった城が話題となっています。

この時期限定で現れるというその城の正体に迫りました。

取材班が向かったのは福岡県のちょうどおへその辺りに位置する嘉麻市。

毎年この時期に忽然と姿を現すという「城」には、地域の歴史にまつわる伝説が秘められているといいます。

◆記者リポート
「あ、あれですね!山の頂上付近に天守閣がそびえたっています」

標高187mの益富山(ますとみやま)の頂上付近に建つその名も「一夜城」。

城のPRをしている住民団体があると聞いて、さっそく会長に話を聞きました。

Q.ある秘密があると聞いているが?
◆一夜城桐乃会 武田満会長
「山を上がってもらったら『これ何?』という感じがあると思います」

益富山の上にはいったい何があるのか?

歴史にまつわる秘密を探るため山を登っていくと…。

◆一夜城桐乃会 武田満会長
「秘密っていうのはここにあるんです!」

◆記者リポート
「あ!こういうことか。板なんですね」

◆一夜城桐乃会 武田満会長
「一面はりぼてなんです」」

街を見下ろす一夜城、実はベニヤ板でできた城だったのです。

高さ約16メートルの天守閣は、毎年この時期に開かれる「一夜城まつり」に合わせて、地元の有志が約1週間かけて手作りしているものでした。

◆一夜城桐乃会 武田満会長
「下から見たら立派な石垣なんですけど、上に上がったらこんな畳の…」

◆記者リポート
「畳だ!全然わからなかった」

益富山の一夜城の起こりは遠く戦国時代までさかのぼります。

◆一夜城桐乃会 武田満会長
「畳・ふすま・障子を秀吉が町民に持ってこさせて、仮の城を作ったという伝説」

1587年、九州平定に臨んだ戦国武将、豊臣秀吉が益富山に一夜で仮の城を築いたため、迎え撃つ秋月氏が恐れをなして戦意を失い降伏したと伝えられているのです。

秀吉にまつわる伝説を地域おこしに活かそうと、今年で32回目を迎えた「一夜城」づくり。

ライトアップで浮かび上がる夜の天守閣も人気です。

◆一夜城桐乃会 武田満会長
「だまされた!といって上がって来て、なんで張りぼてなんですかって。花火もありますのでぜひ見に来てください」

嘉麻市の益富山の「一夜城まつり」は10日まで開かれ、9日は1000発以上の花火に映える一夜城を楽しめるということです。

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