2025年大阪・関西万博の開幕前から閉幕後までの会場建設や運営などのスケジュールの全容が27日、産経新聞の取材で明らかになった。準備が遅れている海外パビリオンに関し、日本側が代行建設する簡易型の「タイプX」は今年11月に参加国に引き渡す。デジタル空間に万博会場を再現する「バーチャル万博」は、実際の万博が始まる直前の来年3月下旬に開幕する。
判明したのは万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)が関係者に示している「全体マスタースケジュール」で、公になるのは初めて。
海外パビリオン関係では、参加国が日本側が建てた施設を利用する「タイプB」、建物の一部区画を借りる「タイプC」が今年7月に、「タイプX」は11月に完成・引き渡す。参加国が自前で建設する「タイプA」については、10月中旬までに建築を完了する必要があるとしている。
海外パビリオンのほか、日本政府の「日本館」、13の民間企業・団体のパビリオンの内装・展示工事終了の目安は来年3月中旬。4月上旬の内覧会を経て、4月13日の開幕を迎える。
インターネット上で万博会場を訪れたような体験ができる「バーチャル万博」については、機運醸成のため実際の万博に先駆けて開幕させるべきだとの意見が多かったものの、実際の万博とほぼ同時期の開幕となった。準備の遅れが懸念されるが、万博協会の関係者は「一部コンテンツについては先行公開も検討する」としている。
バーチャル万博は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの技術を活用。会場全体や各パビリオンの外観などを再現し、万博の魅力と発信力を高める。
万博会場で開催するイベントについては、目玉となる行事を含めた詳細な催事カレンダーを今年9月に公表する。前売り入場券の1日券「超早期購入割引」(10月6日まで販売)の購入者を対象に、パビリオン入館やイベント参加の事前予約の抽選登録を9月25日~10月6日に行う。
今回の万博ではペット同伴での来場を初めて認める方針で、詳細については9月に公表。ペットは犬に限定し、場内では逃走防止の措置を求める見込み。(井上浩平)
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