Ｑ

　まもなく１歳半になる息子がいる母親です。息子は気が弱く、何かあると泣き、すぐに私の抱っこを求めます。私が目の前にいても、誰かに抱っこをされるだけで大泣きします。私が抱くまで絶対に泣きやまないので、抱っこをしてくれた人に申し訳ないです。家の中でも常に私を探し、どこにでもついてくるので、トイレにもいけません。すぐに泣かないようになるにはどうすればいいでしょうか？

Ａ

　保育士時代に大勢の子供を見て思ったことがあります。それは、気が強い、あるいは気が弱い、といった性格の違いは、１歳の頃にはもうはっきり出ているということ。たとえばおもちゃを取られてすぐに泣く子もいれば、相手を突き飛ばす子もいます。何も気にしない子もいます。わずか生後１、２年でそこまで違ってくるのは、もう生まれ持った性格によるものと思えてなりません。でも、それが個性というものです。

あなたが今、困っていることも、それがお子さんの個性です。それでいいじゃないですか。その個性をなくそうとすると、お子さんがお子さんでなくなってしまいますよ。人に抱っこされるたびに泣く。ならば、「この子はすぐに泣くんです」と言えば終わりです。トイレにまでついてくる。何ともかわいいじゃないですか。あなたは息子さんに慕われているのです。

これでは困る、と思えばお子さんのことを否定的な目で見るようになってしまいます。逆に、何があっても「これでいい」と思えば、肯定的な目でお子さんを見られるようになります。

実は私も幼児期はすぐに泣く子供で、家族から「ピピ夫」と呼ばれていたそうです。それが今では人一倍、気の強い人間になってしまいました。息子さんも今だけのこと。あなたのご苦労も必ず報われますよ。

（こどもコンサルタント）

プロフィル

原坂一郎（はらさか・いちろう）　２３年間の保育士勤務を経て平成１６年から、こどもコンサルタントとして研究・執筆・講演活動を行う。日本笑い学会理事。自他共に認める怪獣博士でもある。

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