『天気が変えた戦国・近世の城』

威風堂々とした姿で、見る者を魅了する日本の城。その造形に表れる特徴を、城好きの気象予報士が天気に着目して読み解く。

例えば、会津若松城の赤い瓦は豪雪地帯ならではの工夫。水分が染みないよう、鉄分入りの釉薬をかけて焼いた。また、格子状の模様が浮き出た海鼠壁(なまこかべ)は耐久性に優れ、台風などで強い風が吹く地域にみられるという。

合戦に臨む武将たちが、霧や梅雨といった気象条件を巧みに生かした可能性も考察する。自然と共存しつつ、その脅威に対抗もする城や武将たちの姿から、歴史の新たな楽しみ方が見えてくる。(PHP研究所・1760円)

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