スイーツ作りにも欠かせない「牛乳」が今、危機的状況に陥っている。生産コストの上昇で離農する酪農家が増えて、全国の酪農家の数が初めて1万戸を下回ったことが明らかになった。酪農家の減少により、この先国産の牛乳が減少すれば、商品の価格にも影響する可能性があるという。

「牛乳」がピンチ…酪農家数が1万戸以下に

たっぷりと盛った作りたての生クリームにシャインマスカットを飾り付け。人気のブランドイチゴ「あまおう」をふんだんに使ったクリスマス限定パフェだ。

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東京・江戸川区にある「フォーシーズンズカフェ」は、パフェやケーキがオーダーバイキングで思う存分食べられると評判のカフェ。

フォーシーズンズカフェ・村杉淳一店長:
牛乳は欠かせない食材です。牛乳だけでも1箱12本、1ダースですから、それくらいは1日大体使いますね。

スイーツ作りにも欠かせない、その牛乳が今、危機的状況に陥っている。酪農団体が行った集計により、全国の酪農家の数が2024年10月、初めて1万戸を下回ったことが明らかになった。

フォーシーズンズカフェ・村杉店長は「1リットル30円以上超えてくると原価にかなり影響してきます」と国産の牛乳がこの先減少すれば、価格にも影響する可能性があるという。

「コップ1杯多く飲んで」酪農家の叫び

牛乳の生産量や価格を大きく左右する酪農家の減少。一体何が起きているのか。こうした中、“ある酪農家の叫び”に今、大きな関心が集まっている。

Xで「ここから先の5割、離農を検討しているって方々は、不幸な離農になります。今、酪農家が1万戸を割ってしまいました。その内半分が離農を検討しています。つまり5千戸になってしまう可能性があります」と声を上げたのは、千葉市で酪農に従事する金谷雅史さん。

千葉県内にも借金を背負っている酪農家が多くいて、やめるにしても苦難が伴うと話す。

この牛乳のピンチを招いているのは、生産コストの上昇に他ならない。牛の餌代が1.5倍になり、電気・燃料費も高騰し、牛乳を搾れば搾るほど赤字が進む状況だという。そんな赤字を救う手は何かあるのか。

金谷さんは「一番分かりやすいのは、牛乳の値段を上げていただくことですね」と話すが、牛乳の値段が上がれば、牛乳離れが進む恐れもあるのが悩ましいところだ。そこで打開策として発信しているのが、このメッセージだ。

金谷牧場・金谷雅史さん:
(牛乳)コップ1杯。コップ1杯を多く飲んでいただければ助かります。

消費者がコップ1杯多く牛乳を飲んでもらえば、酪農家の減少にも歯止めがかかるかもしれないと訴えている。
(「イット!」12月10日放送より)

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