熊本大学の研究グループは精子の形成に重要な役割を果たす新たな遺伝子を発見したと発表しました。

無精子症など男性由来の不妊症の治療などに役立つ発見と言えそうです。

これは熊本大学発生医学研究所の石黒 啓一郎 教授らの研究グループによって明らかになったものです。

国の研究機関による調査では不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は全体の22.7%にのぼり、WHO世界保健機関によりますと不妊の原因の約半数が男性に由来しているとしています。

卵子や精子は『減数分裂』と呼ばれる特殊な細胞分裂が行われて作り出されます。

石黒教授らの研究グループは精巣で機能する『HSF5(エイチ・エス・エフ・ファイブ)』と呼ばれる遺伝子を発見。マウスでの実験でこの遺伝子の働きを無くしたところオスの生殖細胞が減数分裂の途中で死滅し、精子が作られず、不妊となることが分かったということです。

その後の解析で『HSF5』は精子の形成に関与する多くの遺伝子に結合し、減数分裂を正常に完了させ精子を形成するプログラムを起動させるなど精子形成に重要な働きをすることを突き止めたということです。

【石黒 啓一郎 教授】
「不妊症はまだ全然原因が分かっていないものが多い」
「将来的には不妊症の原因解明に資するものだろうと考えて研究を続けている」

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