新庄市の高校生ボランティアサークルが、発達障害への理解を深める絵本を制作している。絵本に登場するのはさまざまな障害がある動物たち。互いに認め合い困難に立ち向かうストーリー。

(絵本朗読)
「幼稚園の裏庭で面白いものを見つけたんだ! みんなで行ってみようよ」

絵本を制作しているのは、2022年に結成された新庄市の高校生ボランティア団体「たんぽぽくらぶ」。所属メンバーは6人。
7月の製本に向けて、絵を塗る作業は大詰めを迎えた。
リーダーは、新庄北高3年の渡辺水晶(みずき)さん。発達障害のある11歳の弟がいる。

(たんぽぽくらぶ代表・渡辺水晶さん)
「障害についてもっと勉強したい気持ちと、社会全体でもまだ偏見や差別があると思ったので、障害について理解を広げられれば優しい社会になると思って活動を始めた」

同じ思いを胸に活動を始めた6人。
養護学校の先生に障害についての基礎知識を教わり、不自由な日常を理解するため体験学習も実施。絵本についてはプロの指導を仰ぎ、物語の構成や技法を学んだ。

(絵本朗読)
「みんなで『ひこうきさん』を直そうよ」

絵本のタイトルは「ガラクタやまのひこうきさん」。
さまざまな障害がある動物たちが登場し、多動性障害の「ウサギ」や自閉症の「ワニ」が、心と体に深い傷を負ったうつ症状の飛行機「ひこうきさん」を修理して南の島を目指す物語。
困難に立ち向かいながら、互いに認め合うことの大切さを学んでいくストーリーになっている。

(渡辺水晶さん)
「小さい子に読んでほしい。個性を大事にして『いろんな子がいていいよね』という考えが持てれば、みんなのことを受け入れられる優しい社会に近づく」

資金集めにはクラウドファンディングを活用し、目標をはるかに超える75万円の資金が集まった。

(渡辺水晶さん)
「同じ考えの人がたくさんいるとわかった。より一層この活動に力を入れようと気が引き締まった。頑張ろうと」

誰もが生きやすい社会へ。たんぽぽくらぶの絵本「ガラクタやまのひこうきさん」は、1冊32ページで約150冊の出版を目指し、この夏に完成する。

「終わった! 見て」
「おめでとう」

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