大阪・関西万博を盛り上げようとカレンダーを製作した「港区女子」たち=大阪市港区で2024年4月4日、小坂剛志撮影
写真一覧

 開幕まで1年となった大阪・関西万博を盛り上げようと、会場に近い大阪市港区の女性51人の写真を1枚に収めたカレンダーが完成した。派手なピンクの背景にスナックの店主やプロレスラーらが登場。発案した牧香代子さん(48)は「東京の『港区女子』とは違ってコテコテやけど、来場者を歓迎する気持ちを伝えたい」と話す。

 大阪市港区は万博が開かれる人工島・夢洲(ゆめしま)(此花区)と同じベイエリアに位置する。水族館「海遊館」などの観光施設で知られる一方、住民同士の交流が活発で下町の雰囲気が残っている。

 カレンダーを企画した牧さんは、イベント会社「リンクコーポレーション」(大阪市中央区)の社長。飲食店の運営も手掛け、2020年に大阪市港区ですし店を開業した。港区に足を運ぶ中、万博という世界的なイベントが地元で開かれるのに、応援する声が小さいことが気になっていた。

 「港区にとっては全国の人たちに知ってもらうチャンス。おもろいことをやって、明るいニュースを届けたい」。万博開幕の1年前となる24年4月に始まるカレンダーの作製を思い付き、商店街の仲間らに協力を呼びかけた。

大阪市港区の女性51人が登場するカレンダー=牧香代子さん提供
写真一覧

 全国的には「港区」は東京のイメージが強く、SNS(ネット交流サービス)に華やかな生活を投稿する「港区女子」が話題になっていた。これに対抗して、カレンダーには「#大阪港区女子」と白抜き文字で目立つように配置。老舗食堂やたこ焼き店、英会話教室などで活躍する女性の写真を掲載した。

 大阪市港区にある喫茶店を夫婦で経営する矢津孝子さん(70)は、1970年大阪万博にも当時住んでいた広島から訪れたという。「今度はすぐ近くで開かれるので楽しみ。カレンダーを見た観光客が港区の店にも立ち寄ってくれたら」と笑顔を見せた。

 カレンダーはA2判で1000部を印刷。港区の飲食店や公共施設などに掲示する。牧さんは「1年前から万博とともに大阪の港区をPRして、『港区女子』に会いに来てくれる人を増やしたい」と意気込んでいる。【小坂剛志】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。