小林史武参院事務総長(中央)に「ダブルケアラー支援推進法案」を提出する国民民主党の伊藤孝恵氏(左から2人目)ら。右端は玉木雄一郎代表=国会内で2024年4月10日、平田明浩撮影

 国民民主党は10日午前、子育てと家族の介護を同時に担っているダブルケアラーの支援推進法案を参院に提出した。政府に実態を追跡する定期的な全国調査の実施や、支援を巡る「縦割りの壁」の解消を促す内容。与野党に法案審議を呼びかけ、国民的な議論につなげたい考えだ。

 国民民主の玉木雄一郎代表は9日の記者会見で、「ダブルケアはこれからの日本を考えても極めて重要な課題だ。党派を超えた議論を国会で巻き起こしていきたい」と語った。

ダブルケアラー支援推進法案の概要

 法案はダブルケアについて「社会全体で取り組むべき課題」と明記。ダブルケアラーの負担軽減に向け、国や地方自治体に柔軟な働き方を促進する制度の導入や、国民の理解を深める啓発活動の充実などを求めている。

 ダブルケアは少子高齢化や晩婚・晩産化を背景に広がり、毎日新聞が国の統計に基づき実施した独自集計によると、2017年時点で全国に少なくとも29万3700人いることが明らかになっている。30~40代の働く世代が9割を占め、担い手は女性に偏っている。【井手千夏、田中裕之】

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