2023年7月、札幌ススキノのホテルで男性を殺害し首を切断したとして親子3人が逮捕された事件。
10月1日の裁判では、殺人などの罪で起訴された娘の田村瑠奈被告(30)の音声データが初めて公開されました。
田村瑠奈被告の”肉声” 裁判で初公開
母親浩子被告(61)の4回目となる10月1日の裁判で、弁護側が提出した録音された瑠奈被告と修被告の会話。
錯乱し、叫び声もまじる音声が法廷で流れました。
「とっとと消えろ、てめえらを殺してやる」
「ずっとそう思って生き延びてんだよ、私の妹と私は!」
「(英語で)私は復讐する、私はお前を殺す、お前が私を殺す、私はお前を殺す、お前はどちらを選ぶ?」(いずれも田村瑠奈被告)
「I don't kill any(私はだれも殺さない)」(修被告)
証人尋問で弁護側は、この瑠奈被告とのやり取りについて、修被告(60)に以下のように質問しました。
Q:妹とは誰のことですか?
「瑠奈の(魂)のことです」
Q:では今話している音声は誰ですか?
「中心はシンシアです」
Q:修被告と浩子被告を憎んでいるのか?
「シンシアは私たちの対応によって瑠奈が亡くなったと思っているので、我々を憎んでいる」
父親の修被告の発言
前回、検察側が提出した修被告のスマートフォンの解析から、証拠隠滅に使用したとみられる「漂白剤」を事件前に検索していた証拠について、弁護側が修被告に質問しました。
Q:「ハイターで指紋 消せる?」は検索にあった?
「確認したところ なかった」
Q:「漂白剤」を検索した記憶はある?
「はい。娘からダメージの強いドールの汚れを消すのにハイターが使えるかと聞かれた」(修被告)
Q:瑠奈被告から漂白剤を買うようにお願いされた?
「はい。(購入したのは)近所のドラッグストアです」
今後の裁判はどうなる?専門家は
10月1日の弁護側の狙いは何だったか、元検事の磯部真士弁護士に聞きました。
「今回音声データを公開したことについては、弁護側として背景立証の補足として瑠奈被告の異常性を出すという趣旨だったのではないか」と指摘します。
母親の浩子被告の裁判なのに全く話が出てこないことについては、「浩子被告の裁判の争点を直接的に判断する証拠がそれほど多くないという理由からなのではないか」と話します。
浩子被告の今後の裁判の流れは、検察側からの『尋問→被告人質問→直接聞き取り』という流れとなっています。
浩子被告の5度目の裁判は、次回11月5日に開かれる予定です。
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