宇都宮市鶴田町の住宅で男性を殴るなどして殺害したとして栃木県警宇都宮中央署は5日、宇都宮市東宿郷1の自称会社員、鄭龍植(ていりゅうしゅく)容疑者(39)を殺人の疑いで緊急逮捕した。鄭容疑者は「金銭トラブルがあった」と動機について供述し「瓶で殴ったことは間違いないが殺すつもりはなかった」と殺意については否認している。
逮捕容疑は、鄭容疑者は5日午前5時ごろから同8時5分ごろの間、同市鶴田町の職業不詳、中村翔さん(41)宅で、中村さんの頭部を瓶で殴るなどし死亡させたとしている。鄭容疑者は「酒を飲みながら2人で話していた。瓶や手拳で複数回殴った」と供述している。
同署によると、鄭容疑者は「殴っちゃった。死んじゃったかもしれない」と親族に電話。様子を見にきた親族が同日午前7時55分ごろ、119番通報した。中村さんは住宅2階で倒れており、顔や頭に複数の切り傷や殴られた痕があった。駆けつけた救急隊が現場で死亡確認した。鄭容疑者は現場から車で逃走し、警察官が群馬県伊勢崎市で身柄を確保した。
現場はJR宇都宮駅から西に約4キロの住宅街。【藤田祐子】
周辺の住民からは驚きや不安の声
「普段は静かな地域なのに……」。現場は一軒家が建ち並ぶ閑静な住宅街で、周辺の住民からは驚きや不安の声が上がった。
近所の人によると、現場の住宅は数年前、長く更地だった土地に新築されたといい、中村さんは完成後、しばらくして引っ越してきたという。散歩中にあいさつを交わしたことがあるという近所の高齢男性は「最近は平日にラフな服装で歩いていた。昨日(4日)もスマホを見ながら歩いていたのに、こんなことになるなんて」と驚いた様子だった。
約40年前から近所に住む男性は「(中村さん宅の)屋上で複数の人がバーベキューパーティーをしていたことがあったが、普段は静かな家で、誰が住んでいたのかも知らなかった」と話した。
4日深夜から5日未明にかけ、路上で男性同士が会話する声を聞いたという女性は「夜間はほとんど人の声も聞こえない地域。話し声は事件と関係があるのか分からないが、こんなことがあるとこわくて眠れない」と不安そうだった。【小林祥晃】
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