秋といえば食欲の秋、スポーツの秋、そして読書の秋。その読書の秋が消えるかもしれません。

 文化庁が5年に1回調査している「読書の習慣」が9月発表され、1か月に本を1冊も読まない16歳以上の人が62.6%ととなり、5年前の47.3%から15%以上増え、過去最多の6割超えに。

■札幌中心部で書店が激減

 本離れが急増していることで書店は激減しています。現在札幌の中心部には4店舗、大型書店があるんですが、この数年間で19店舗もの書店が閉店しているんです。

 全国の書店数を表したデータでは2013年に1万5602店あったのがここ10年で1万918店に。4700店舗ほど無くなっているんです。

 本離れ、そして書店が激減している中、誕生した書店も。なぜ書店を作ったのか追跡すると、そこには今までのイメージを覆す新たな書店のカタチがありました。

■新しい書店のカタチ

 やってきたのは札幌市北区の「シーソーブックス」。本離れが進む3年前、クラウドファンディングで支援を受けオープンした書店です。

 書店のオーナーは札幌出身の神輝哉さん。東京の大手出版社を退職し、2014年にゲストハウスをこの場所に作ったのが始まりでした。

 2020年にコロナ禍で利用者が激減。隣にあった建物の2階を生活困窮者を受け入れるシェルターにして、1階を書店にしました。

 書店が激減している中でなぜオープンしたのでしょうか?

 「2階が困りごとを抱えた人がいる前提だったので、そういった方たちが違和感なく同じ場所にいられるような空間。書店って待ち合わせ場所に使われたりだとか、誰でも出入りができる空間」(シーソーブックス 神 輝哉オーナー)

■『棚オーナー制度』で「自分たちの書店」

 コロナ禍を乗り越えてこの場所は書店、ゲストハウス、レストラン、ソフトクリーム販売など不思議な複合施設に。

 一見全く違うジャンルが集まったように見えますが、根底にはさまざまな人が交わる場づくりにしたいという思いが。本棚にもその思いがあふれていました。

 「『棚オーナー制度』というものを取り入れていて、月額3850円で貸していて、そこに自分たちの小さな書店を」(神さん)

 「どういう人が棚を借りていますか?」(廣岡キャスター)

 「基本、本好きの方、あるいは地元の出版社さん。こちらの方はご自身で作った小冊子を販売している」(神さん)

 「自分で書いて、自分で本屋さんやっているって感覚。そういう使い方もできるんですね」(廣岡キャスター)

 「仲間が見つかるような感じもある」(神さん)

 「自分も楽しいし、うれしいし、誰かに見てもらえることの満足感もある」(廣岡キャスター)

■『場』としての書店を目指す

 本離れが急増する中、工夫を凝らしながら書店を続ける意味。それは街の声でも…。

 「私は(書店が)ないと困る人なので。学生の頃に行っていた本屋さんが軒並みないので、すごい寂しい思いですよね」(50代女性)

 「動画も結局頭に入ってこないというか、『すごいきれい』で終わっちゃう。流し見になってしまうので、本屋さんが減っているかもしれないけど、書籍のほうがいい」(20代女性)

 「来てくれる方がいる以上、継続できると思っているし、本を単に売る場所というより、なにか出会いがあったりだとか、それは人とも本ともなんですけど、そういった『場としての書店』目指して魅力的な場所になれるように頑張っていきたい」(神さん)

 さらにオーナーの神さんはこんなことも始めました。

 終活相談サービス。生前遺品の整理を受けて、そこで必要なくなった本を買い取るなどして古本としてシーソーブックスで必要な人に手に取ってもらうというものです。

 時代が進むにつれて、書店のカタチも変わってきています。

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