4月から新しい生活を始める人も多い。

元一般社団法人深圳市越境EC協会日本支部代表理事として、1800社以上の中国企業とのネットワークを築き、中国テック企業の最先端事例に精通する成嶋祐介さんが、中国で流行っている最新家電を紹介。

アプリやWi-Fiにつながるスマート家電はもはや、スタンダードだという。

日々の家事ストレスを軽減すべく開発された時短家電が、中国でも台頭している。

中国で注目を集めている最新家電は、共働き世帯の増加やワークライフバランスへの意識の高まりを背景に、家事の時短と効率化を実現するためのソリューションを提供しています。

日本でも、特に30代・40代の働く女性を中心に、家事の負担を軽減し、自分の時間を有効に使いたいという願望が強まっています。

そこで、中国の最新家電トレンドの中から、日本の30代・40代女性が共感できそうなアイテムを紹介していきます。

移動式!?空気清浄ロボット

毎日の生活を便利に時短するために、中国でもお掃除ロボットが普及してきています。

最近は数多くのメーカーが参入してきていますが、日本でもお掃除ロボットを販売している中国市場から拡大したロボットメーカー「Ecovacs(エコバックス)」が、中国では別の形でのソリューションを展開しています。

それは空気清浄ロボットです。

空気清浄ロボット「Ecovacs AVA AIRBOT」(提供:エコバックスジャパン)
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例えば、中国では大気汚染が深刻な問題となっているため、空気清浄機への関心が非常に高く、「Ecovacs AVA AIRBOT」のような移動式の空気清浄ロボットが注目を集めています。

一方、日本では大気汚染の問題はそれほど深刻ではないものの、花粉症などの悩みもあり、空気清浄機の需要は高い状態が続いています。

中国で長年トップシェアを持つロボットメーカーの「Ecovacs」が開発した「AVA AIRBOT」は、家中の空気をまるごと清浄化する移動式の空気清浄ロボット。

空気清浄ロボット「Ecovacs AVA AIRBOT」(提供:エコバックスジャパン)

高性能のHEPAフィルターと活性炭フィルターを搭載し、花粉やウイルス、ペットの臭いなどを効果的に除去します。

子育て中の女性なら、リビングで子供が遊んでいる間、「AVA AIRBOT」がキッチンや寝室の空気を清浄してくれるのはうれしいですよね。

さらに、室内の空気の状態をリアルタイムで監視し、汚れた場所へ自動で移動して集中的に浄化するので、常にきれいな空気を家族に提供できます。

在宅ワークが増えた今、家族の健康を守るためにも、空気清浄は欠かせません。「AVA AIRBOT」は、そんな働く女性の味方になるでしょう。

スマートなキーレス生活の実現!

お出かけ時、「鍵閉めたっけ?」といったことは誰もが経験あることでしょう。

共働き世帯にとって、家の鍵の管理は悩ましい問題ですよね。子供の学校や習い事の送り迎え、宅配便の受け取りなど、家族のスケジュールに合わせて鍵の受け渡しを調整するのは大変です。

共働き世帯は鍵の管理も悩ましい(画像:イメージ)

中国のスマートフォン大手「Xiaomi(シャオミ)」が開発した「M20 Pro」は、そんな悩みを解決するスマートロックです。

顔認証や指紋認証、スマートフォンアプリなど多様なアンロック方法に対応し、利便性と安全性を両立しています。

例えば、子供だけで留守番する場合でも、顔認証で簡単に解錠できるため、鍵の紛失や閉め出しのリスクを軽減。

また、宅配業者の来訪時には、一時的なパスコードを発行して円滑な受け取りが可能です。

さらに、アプリ連携で家族の入退室履歴を確認できるので、子供が無事に帰宅したかどうかもわかります。

共働き世帯の増加に伴い、家族それぞれの生活スタイルに合わせた柔軟な鍵の管理が求められていますが、「M20 Pro」はまさにそのニーズに応えてくれる頼もしいアイテムです。

日本でもスマートキーはありますが、指紋とパスコードとアプリでしか解錠できないものが主流です。

「M20 Pro」は、Xiaomiのスマートフォンで培った顔認証を強化し、さらに開閉を意識させないことを追求しています。

これは日々の忙しい生活を考えて設計された理想的なスマートロックではないでしょうか。

忙しい女性のための洗濯革命

洗濯は家事の中でも特に時間と手間がかかる作業ですよね。

共働きの30代・40代女性にとって、毎日の洗濯物の山は大きなストレスになっているのではないでしょうか。

そんな悩みを解決してくれるのが「DAILY NEATY G5-XMB」です。

この小型全自動洗濯機は、忙しい女性のための時短家電として注目を集めています。コンパクトながらも高性能で、下着や小物類の少量洗濯を最短15分で完了。

また、自動洗剤供給や湿度センサーによる乾燥管理など、洗濯のすべてを自動化してくれます。例えば、出勤前に下着を入れておけば、帰宅時にはふんわりと仕上がっているので、ストレスフリーな洗濯が可能。

さらに、アプリ連携により外出先からも操作できるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な洗濯が実現します。

共働き世帯の増加により、家事の効率化が重要になっていますが、「DAILY NEATY G5-XMB」は洗濯に関する悩みを解決する優れたソリューションです。

これひとつで、働く女性の洗濯ストレスが大幅に軽減されるはずです。

中国では、もともとは大家族での暮らしが多かったのですが、現在はひとり暮らしが多く、女性のひとり暮らしも特に増えています。

さらにミニマリストや、好きなものに囲まれたいという思いの一方、あまり余計なもの持たないというトレンドもあって、少量の衣類で手軽にさらっと洗って使う暮らしのニーズをまさに捉えています。

大きな洗濯機は、週末など週に1、2回程度で、毎日はこれで事が足りるようです。

日本では、洗濯機は家に1台という固定観念が強く、私の洗濯物は別にしたいと思っても同じ洗濯機で洗いますし、子供がちょっと汚した場合など、少量の洗濯はむしろ手洗いをしていることが多いのではないでしょうか。

忙しい女性のための時短リフレッシュ

デスクワークやスマートフォンの使い過ぎによる首や肩のコリは、30代・40代女性の大きな悩みの一つ。

そんな中、中国で注目を集めているのが、電動マッサージ器「SKG K5 Pro」です。

この革新的なマッサージ器は、どんな体形の人でもコンパクトに使えるよう首のサイズをベースとして、バッテリーを内蔵し、タイプCの充電方式にすることで、とても軽量でコンパクトな設計を実現しました。

電動マッサージ器「SKG K5 Pro」(筆者提供)

これにより、仕事や家事をしながらでも簡単に使用できるように進化しました。

例えば、在宅ワーク中に「SKG K5 Pro」を装着すれば、集中力を維持しながら疲労を予防。さらに、アプリ連携で正しい姿勢をサポートし、継続的なケアを促進してくれます。

また、日々の使用データを分析し、最適なマッサージプランを提案するなど、パーソナライズされたケアも魅力。自分だけのオーダーメイドのマッサージを受けられるのは、働く女性にとってうれしいポイントですよね。

ワークライフバランスへの意識が高まる中、「SKG K5 Pro」は自己ケアの重要性を訴求。忙しい日々の中で、自分の健康を守るための時間を確保することの大切さを伝えてくれています。

炒めるを手放す!?脅威の時短家電

多忙を極める現代人にとって、時間はまさに金なり。

革新的な調理器具「SUPOR COOK3」は、料理時間を大幅に短縮し、キッチンでのストレスを軽減しています。

共働き世帯にとって、毎日の料理は大きな負担になっているのではないでしょうか。

忙しい日々の中、料理に時間を割くことも難しい(画像:イメージ)

特に、子育て中の30代・40代女性は、仕事と家事・育児の両立に追われ、料理に十分な時間を割くことが難しいと感じている方も多いはず。

そんな中、中国で話題となっているのが、多機能調理器具「SUPOR COOK3」です。

この製品は、炒める、煮る、蒸す、揚げるなど様々な調理方法に対応。高速調理プログラムや直感的な操作性により、料理の時間を大幅に短縮してくれます。

炒めるとなるとフライパンと油を用意して、といった工程が必要になりますが、この調理器具はそういった準備も必要ありません。

例えば、予め設定された「シェフモード」を選択すれば、材料を入れるだけで本格的な料理が完成。直感的な操作性とアプリ連動で基本のレシピ以外にも、どんどん新しいレシピが追加されていきます。

誰でも簡単に使うことができるので、料理のハードルを下げていきます。また面白いのが、「おいしくない」とユーザーから判断されたレシピは、アプリを通じて書き換えられているようです。

掃除も手間がかからず、調理後に水を入れて自動洗浄ボタンを押すだけなのです。

忙しい平日の夕食づくりも、これなら楽々こなせそうですね。共働き世帯の増加に伴い、料理の時短と簡略化へのニーズが高まっていますが、「SUPOR COOK3」はこの課題に対する有効なソリューション。働く女性の強い味方となってくれるはずです。

成嶋祐介さん

中国の最新家電トレンドは、共働き世帯の増加やワークライフバランスへの意識の高まりを背景に、家事の時短と効率化を実現するためのソリューションを提供しています。

日本でも同様の社会変化が進んでおり、これらの家電が示す利便性と効率性への追求は、大きな示唆を与えてくれます。

日本の家電メーカーには、中国の最新トレンドも参考にしつつ、日本の生活スタイルに合わせてローカライズした製品を開発していくことも期待されます。

AIやIoTを活用した高度な自動化と、ユーザー一人一人に寄り添ったパーソナライズ機能の実現。

その使用データを分析することで、より、働く女性の悩みや願望を真摯に受け止め、それに応えるソリューションの提供を進化させています。

中国の家電トレンドは、単なる利便性の追求にとどまらず、国民の生活の質を向上させるためのヒントに溢れています。

日本の家電メーカーも、このような視点を今まで以上に大切にし、働く女性の暮らしに寄り添った製品づくりをさらに進めていってほしいです。

成嶋祐介
元一般社団法人深圳市越境EC協会日本支部代表理事。世界の最先端企業1800社とのネットワークを持つ中国テックビジネスのスペシャリスト。著書に『GAFAも学ぶ!最先端のテック企業はいま何をしているのか』(東洋経済新報社)。

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