荏原は19日、熊本県南関町の工場敷地内で建設を進めてきた新たな生産工場棟「K3棟」の竣工式を開いた。荏原は既存の2つの生産棟で、半導体ウエハーの表面を研磨し平らにする「CMP(化学機械研磨)装置」を製造している。台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出などにより九州で需要が高まると見込み、生産能力を約1.5倍に高める。
荏原が新たに建設したK3棟は、4階建てで延べ床面積は約1万9400平方メートル。新棟でも世界シェア2位を誇る主力のCMP装置を製造する。今後必要な機器を順次搬入し、2025年4月以降に本格稼働させる。投資額は非公表としている。
浅見正男社長は竣工式で、30年に半導体の市場規模が現在の2倍程度にまで広がるとした上で「事業規模を拡大しないとシェアが落ちる。単に面積を広げるだけではなく、工場内の作業の最適化などの投資も検討する」との考えを示した。
熊本ではTSMCの国内第1工場が2月に開所し、第2工場の建設も控えている。センサーを製造するソニーグループや、パワー半導体を手掛ける三菱電機も新工場を建設中で、製造装置の需要増加が見込まれている。
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